n-highschool

以前から気になっていた「N高等学校」について調べてみました。

というのもこの高校は「学校法人角川ドワンゴ学園」が運営する通信制の高校で2016年に開校したばかりなのです。ネットで学習し、ネットで行事が行われ、ネットで入学式も遠足も行われるという異色の高校です。

千葉の幕張で行われるニコニコ超会議が文化祭です。

実は子供が不登校になる前からこの高校の情報は仕入れていてWEBやITやクリエイティブな分野に強いのではないかと見ていました。

同じ中学の先輩の進路にも「N高校」が入っていたので今後ますます生徒が増えてくるだろうと予想しています。

さて、そんなN高等学校ですが、子供が不登校になってしまったので視野に入れてパンフレットを取り寄せる事になりました。それを今日はメモしておきます。

N高等学校は通信制高校

最も重要なのはココです。学校教育法で定められた「高等学校」という事なので卒業すれば高卒の資格が得られます。大学受験や国家公務員試験も受けられます。

N高等学校の教育理念?

私は教育理念を気にするタイプです。何が書いてあるか、どんな運営か、どこへ向かおうとしているか、生徒をどう導くのか。子供が迷ったとき、立ち止まった時の指標になる物が書かれているのでこれは重要です。

パンフレットには教育理念の項目はありませんが、「自分らしさ」「脱ふつう」「自律」と書いてありました。確かにネットの高校と言うだけあってとんがった理念だと思います。

夏野剛さんのコメントもありました。この方は通信業界では知らない人は居ないビジネスマンです。元NTTドコモでiモードを立ちあげた人。ニコニコ動画にもよく見かけます。「これからは自分の得意なものは何かを知っている人が求められる」とおっしゃっています。

その通りだと思います。平均点を取ることが上手に生きる事ではありません。自分の才能・得意な事を伸ばすことが「稼ぐ」、「生きる」ことに繋がる時代なのです。平均的な人間は職を得ることが難しくなるだろうと思います。

今まで通信制高校と言えば不登校の中学生や何かしら問題があって登校しにくい子を受け入れる高校というイメージがありました。N高校は不登校じゃなくても自ら進んで選択される高校を目指しているように見えますね。

授業の受け方と用意されているコースについて

N高等学校の授業の受け方についてまとめてみました。

ネットで授業を受ける

基本的にはWEBを通して授業を受ける形です。自宅や外でもPCやスマホを利用してリアルタイムの授業を受けられます。

この結果、全日制高校なら当たり前の「登校の準備」「通学」「学校の拘束時間」が無いことで自分の夢目標に向かう時間を確保しやすいことがメリットとなります。

スクーリングは?

通信制高校では高校卒業に必要な単位取得のために一般的にスクーリングと呼ばれる必ず登校しなきゃいけない授業があります。これは他の通信制高校でも同じです。

毎月1回のところもあれば、年に5日間集中的に宿泊形式で行われるスクーリングもあります。

N高等学校では年5日程度と決まっています。全国に12か所の会場があるのでそこで実施。メインは沖縄会場での授業や伝統芸能体験などがあります。宿泊を含む集団生活で学ぶスクーリングの形ですね。

通学コース

ネットだけの学習では社会性が育まれにくいです。中学で不登校で行きにくかったとしても他の生徒がいる場へ足を運んで何かを学ぶ重要性があります。

私も子供に対しては通信制高校で良いと思っていますが、その中でもせめて週1日は通学して登校するようにして欲しいと思っています。

N高等学校では3つの通学コースが用意されています。

・週5日登校する、Weekday Course
・週3日登校する、3Day Course
・週1日登校する、1Day Course

です。他の通信制高校と似ていますね。自分が学習&登校できるペースに合わせて日数を選択して登校します。

通学キャンパスについて

沖縄本校、東京 代々木キャンパス、大阪心斎橋キャンパスの3つが現時点ですね。

このほか次の4つの提携スクール校舎があります。

1.代ゼミNスクール(大学進学をめざす)
2.バンタン・プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクール(プログラマをめざす)
3.N塾(東大進学を目指す)
4.バンタン・マイセレクトコース(30の分野に及ぶ職業を意識したコース)

課外授業がある

高校卒業に必要な単位を取りながら、自分が興味がある分野へ、就職や進学につなげる時間を使う事が出来ます。

・プログラミング授業
→プログラマ、WEBエンジニア、スマホアプリ開発、SEなどを目指したい人むけ

・文芸小説創作授業
→小説家、漫画家、雑誌編集者、ライターを目指したい人むけ

・エンタテインメント授業
→コミック作家、イラストレータ、ゲームクリエイター、アニメを目指したい

・ファッション、パティシエ、ビューティ、ゲーム、声優
→デザイナー、スタイリスト、ファッション、パティシエ、シェフ、ネイリスト、美容部員、ヘアメイク、声優

・大学進学授業

現時点ではこの5つです。今後さらに増えるかもしれないですね。

N高等学校の部活の存在

さすがにN高等学校の部活はネットで行います。囲碁部、将棋部、格ゲー部、サッカー部すべてオンラインで行われているようです。

これ部活と言えるのか疑問ですが。。

通学コースは2016年時点ではまだ部活が無いようですね。今後生徒が増えてくれば自然発生的に部活が設立されることでしょう。

行事へ参加しなきゃいけないの?

うちの子は行事への参加が嫌いなのでどの通信制高校を調べるときも行事の有無、参加の強制性をチェックしています。

  • 通学コースの行事
    各種レク、文化祭(ニコニコ超会議)、職業体験があります。職業体験は是非受けて欲しい。
  • ネット学習コースの行事
    ニコニコ超会議、闘会議(ゲームの祭典)、ニコニコ町会議、ネット遠足(ドラクエ)が用意されています。すべて参加が任意の行事となっています。

N高校を退学する子、退学率

2016年開校なのでまだ情報がありませんでした。

N高等学校を卒業した後の進路、進路決定率

2016年開校なのでまだ情報がありませんでした。

今後1期生が卒業し様々な進路に進むと思います。この高校を卒業した生徒がどのように羽ばたいていくのか、有名・難関大学への進学いかんによってN高等学校が今後どのように発展していくか、生徒を集められるかに関わってきそうです。

気になるN高等学校の学費

学費は親として最も気になることの1つかもしれません。

ネット学習コースの学費

N高等学校の学費はさすがにネットを使っているので安いです。

入学金+授業料+施設設備費+教育関連諸費で年間25万円となっています。2、3年次は入学金が無いので20万円です。

国から就学支援金が頂ける家庭なら学費ゼロ円もあり得ますね。

通学コースの学費

入学金(通信課程+通学コース)=15万8000円

■コース別の学費(国の就学支援金12万300円を引いた金額例)
Weekday Course(週5日通学)→83万5700円
3Day Course(週3日通学)→61万9700円
1Day Course(週1日通学)→40万3700円

となっています。

なので週5日通うコースだと、入学金+学費で99万3700円になる計算ですね。この金額は他の通信制高校と比較して割高な印象があります。

キャンパスが都内と大阪という事を考えると場所代、実力講師、提携校との関係があるのでこの値段になっちゃうのかなと思いました。全日制の普通私立高校と同じぐらいと考えれば妥当かなと思いました。

N高等学校に入学するには

N高校には4つの入学タイミングがあります。それが4月、7月、10月、11月の4回です。
それに合わせて卒業月も3,6,9,12月と変化しています。

普通の中学生なら3月に中学を卒業して、4月にN高校入学になるはずです。

入学願書は書類ではなく、WEBでの登録となります。入試は無く学力の検査は行われません。代わりに書類や中学校の調査書の提出は必要です。

通学コースの場合は面接&作文が必須、検定料は5000円でした。

トータルまとめ、親から見た印象

N高校のパンフレットやホームページを見ていると不安になる部分が見られるはずです。

例えばWEB遠足とか、ゲーム部とか、小説家を目指せるとか、プロゲーマーを目指すとか。「勉強しないで遊んで卒業できる高校」に見えちゃうんですよね。

うちの子はこれらのジャンルに興味が無いので問題ありませんが‥

大学に行って欲しいとは思いませんが、勉強を通して胆力を鍛え、一般教養を高め、通学を通して人との交流、社会性を学び、将来は目標を目指し自分の役割を得て居場所を見つけられる人間になってほしいと思っています。

通学コースだって不登校のままでは単位を修得できないので留年、退学せざるを得なくなる状況もありえます。しっかり登校できなくては。

世間から、勉強から、人から逃げるためにこの高校を選ぶ事はあってはならないと思いました。ちゃんと目的をもって入学しなくては。

私はニコニコ動画が大好きなんですけどね☆