不登校の受験と進路、どう考えればよいか?

子供が中学3年生の夏休み明けから不登校になってしまいました。
あとたったの半年学校に通えば普通に卒業できて普通に高校に行けたのに。

とは言っても不登校になってしまったものは仕方がないのです。

人生なんて何時からでも逆転できると思っていますが、中学生の失った時間を取り戻すのはこの時点では非常に困難です。

これからどのように進路を決めていくか、受験をどう乗り越えていくか家族で考え、苦悩し、取り組んできたこと、導き出した結論をお話したいと思います。

もし中学生で不登校になってしまい、これからの進路をどうすべきか、受験をどう受け止めるか考えている方や、その親御さんの参考になればと思います。

最初にふつうの高校生活を目指すもくじ、最後のほうで通信制高校の章となっていきます。

中学1,2年での不登校は受験までまだ時間がある

学校の担任にも言われたのですが中学1,2年時の不登校(欠席日数の多さ)は比較的寛容であるという事です。

受験では特に中学3年時の欠席日数と成績、内申点が見られます。また高校から来てる内部資料には「中3時の年間欠席日数が30日未満であること」が条件に書かれていました。

ほとんどの高校でそのように記載があったので、公立・私立ともに中3で不登校になった方はこの時点で全日制の高校をある程度あきらめなくてはいけないという事になります。

中1,2年次で不登校の場合はまだ時間があるので3年で不登校を改善できれば受験も進路も開けることでしょう。

受験では、成績の良さは欠席日数よりも優先される

不登校の子は学校に行けてない=授業を受けてない=概ね成績が悪い 傾向があります。うちの子も学年で平均以下に落ちてしまいました。

高校では成績の良い子を採るのは当然です。同じ成績の子が2人いてどちらかを落とさないといけないなら、欠席が多い子のほうを落とすことになります。

この考えで行くと、成績なみの高校を受験しても合格は叶いませんので、偏差値(レベル)を落とした高校を受験することになります。

全日制の公立・私立を希望する方は、欠席日数が多くても成績が良ければ採用されるという事です。

不登校の中学生でも一般受験はできる

不登校でも受験は可能です。不登校であっても成績が良ければ一般受験で合格できます。

ただし高校に行っても不登校のままでは国の定めである74単位以上の取得ができないので高卒資格が貰えないし行く意味が無いです。環境を変えて心機一転、登校できる子なら普通に全日制の公立/私立を受験すればよいでしょう。

一般受験でも欠席日数がどれぐらい影響するかは担任に聞いてみると良いです。

それから本屋に行けば住んでる県の「〇〇年度高校受験案内」という本が全国で発売されてるはずなので、それをチェックしてみましょう。

内申点(調査書や通知表)と、受験結果の点数の両方でもって受験合格かどうか判断されます。それぞれの点数がどれぐらい重みづけされているか高校によって異なります。内申重視の高校もあれば、受験のテスト結果を重視する高校もあります。

中学3年で不登校でも回復の傾向があれば推薦で狙える

うちの子は中3の夏休み明けから不登校になり9月10月を過ごしました。担任と相談した結果、まだ全日制の高校のチャンスはあるという話です。そのためには次の2点をクリアする必要がありました。

・不登校の改善傾向がみえること
・中間、期末テストを受けてせめて「1」は回避すること

不登校になっても、そこから改善傾向が見られればそれを加味してくれます。高校に行ってすぐ不登校になるようでは駄目だということです。

中3のうちに改善傾向が見られればそれを受験する高校側につたえる記述(調査書)をしてくれるそうです。(加味してくれるだけで合否は判断が当然はいる)

これは不登校支援学校や保健室登校してる子も駄目です。ちゃんと中学校に通えて授業を受けるようになれたかどうかが重要です。この点、うちの子は無理でした。

全日制の私立高校に絞る(単願、推薦)が可能性高い

偏差値なみの高校に入りたいと思ったら私立の単願、推薦だと可能性が出てきます。

まず私立高校は併願ではなく単願の子を優先して採ります。だから単願で出して合格すれば入学金を支払い来春からその高校に行くという約束になります。ほかの高校を受けられないというデメリットはありますが、その分採用されやすいという事ですね。

加えて推薦だと中学3年の1学期までの成績(内申点)を検査されて合否が決まる所が多いので1学期まで頑張ってきた子なら可能性がある、という事です。ただ不登校のままでは中学校から推薦はもらえないので、この点は学校に行けるようになってる事実が欲しいです。

内申点で1教科でも「1」があると推薦不可の高校がほとんどです。

偏差値の低い全日制高校を探してみる

次に探したのは今の成績と出席日数で行ける高校を探したことです。出席日数が少なくても偏差値を落とせば受験で行けるので。

現時点で本人の偏差値が53で、40の学校なら行けるという事で探しました。これらの高校はけっこう多く見つかると思います。

けど各学校の評判をWEBで探してみるとあまり良くないです。偏差値が低いという事は学力が低いので、何かに一生懸命な生徒は少ないです。勉強なんかしたくない、とりあえず高卒したい、バイトしたい、授業バックレて昼間からぷらぷらしてる、スカートの丈が短い、等。場合によってはヤンキー校もあります。

このレベルの公立だとよく言えば生徒の自主性に任されていて(悪く言えば先生に熱心さが無い)頑張る子は短大、大学進学まで行きます。けど3割が卒業してからの進路がフリーター、バイト、無職です。これなら通信制高校の方が進路決定率が大幅に高い

高卒後の進路は次のような割合になっていました

大学・短大 15%
専門学校 30%
就職 20%
バイト・フリーター・無職が30%

私立高校なら大学付属の場合はエスカレーターでそのまま大学に進学できる可能性に期待したいですね。

もし全日制高校を目指すなら校風をチェックする事です。WEBでの評判や卒業生の書き込み等も探してみてください。カウンセラーの存在も確認したいです。

ウチは校風を確認して見送りました。

ちなみに全日制高校なので1日6時間程度の授業があり、3年間で卒業です。不登校では単位が取れず途中で退学となります。この点もうちの子は不登校が継続しそうなのでNGでした。

不登校中学生を受け入れる定時制の高校を探してみよう

定時制高校というのは1日4時間授業で4年間通学して74単位取得で卒業するのを基本としています。

午前部、昼部、夜間部と3つの部のどこかに所属して授業を受けるわけですね。自分が所属する部以外の授業を受けることで4年間通学じゃなくて3年間で卒業もできます

不登校で生活習慣が崩れ、朝起きれない子や、生活のために昼はアルバイトをして夜から登校する子など様々な環境に合わせてあります。

不登校だった中学生でも受け入れてる所が多い。不登校中学生にとっては「やりなおし」「学びなおし」の高校と言われます。もちろん受験があり合格しないといけないですが、偏差値は低めです。

定時制の高校は普通の高校と同じように「登校」するスタイルです。授業も受けて中間・期末テストなどを受けて単位を取得して行かないと高卒の資格は貰えません

周りの生徒も元不登校という子が多いので通学、生活はしやすいはずです。心機一転環境を変えて再出発できるなら定時制高校を受験してみてください。

うちの子も相談会に参加してみましたが、ちょっと厳しそうだと感じました。定時制高校は公立がほとんどです。(私立の定時制もあるけどレベルが高い)

私たちが行ったのは公立だったのもあって先生がそこまで支援に積極的には見えません。学校という箱と先生が居て勉強する環境はあります。結局は自己責任というわけです。当然ですが。

部活もありますが、3部制なので全員のタイミングが合わず主に土日活動などになる。

不登校の子ならではのケアが出来る環境ではないです。高校でも不登校のままでは単位が取れないので退学せざるを得ないです。また入学者の半分が退学している事実も確認できました。

ココは見送りました。

ずーっと不登校のばあいは通信制高校という進路へ

不登校が改善しない、体調が悪い、環境を変えれば登校できるかもしれないけど不安がある・・・

うちの子はそういう状況でしたので、色々検討してみた結果、通信制高校に舵を切りました。早めに進路を決めることで、受験という精神的な苦痛が無くなるだろうと思いました。それで体調も良くなればと考えたというのもあります。

通信制高校なんて・・・と思っていたのですがもはや選択肢がありませんでした。中卒でバイトを転々とさせても良かったのですが、中卒という学歴コンプレックスを抱えたまま社会に出るのはさらに精神的なビハインドが大きいだろうと思ったのです。

それに高校を卒業すれば、あるいは高卒認定(旧大検)を取れば次のステップ(専門学校、短大、大学)が見えてきます。少し大人になれば将来の道が見えてくる事も期待できます。

私の知り合いは高校で不登校になって、ギャンブルで借金して、大検を取って、海外に留学して、いまでは社長をやっています。人はどこでどう変わるかわからないものです。

通信制高校を探し始めると非常に多いので迷うと思います。また特徴も高校によって様々なのでなかなか選び難いです。

おすすめなのがズバットというWEBサービスで、通信制高校のパンフレットを何校か請求できます。

お住いの地域を入力して必要な高校を選んで資料請求してみましょう。

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≫ズバットで一括資料請求

親でも中学生でも請求できます。親から子へパンフレットを渡すケースが多いようです。

私が重視したポイント

・人間として、人格を教育する姿勢がある高校であること
中学生の子供が精神的に周りより幼いので、人として成長し胆力を鍛えられそうな高校を探していました

・学習スタイルの多様性があること
通学コース(週1日~5日)、完全自宅WEB学習コース、切り替えができること等

・自分の将来を真剣に考え、夢・目標を育める環境
高校を卒業した後の進路を考え、サポートしてくれる高校であること

この3点です。

何を重視するかは子供の考え方にもよるし、親の希望によっても異なります。

子供が登校は嫌だと言えば完全自宅学習でスクーリング(必須登校日)が少ない高校を選ぶでしょうし。

大学進学への支援が厚いところを望めば、提携サポート校(予備校のようなもの)がある通信制高校を選択するでしょう。

友達を作りたいなら通学コースと学校授業が充実してる高校が良かったりします。

学費に関してはこの時点では気にしていませんでした。通信制は私立の全日制高校に通うより断然安いです。

それに世帯年収により異なりますが、国の就学支援金が頂けるので(最大で30万円ぐらい)。

パンフレットを何校も入手した

まず通信制高校を探し始めた時点でパンフレットの請求を行いました。それからパンフレットに目を通して気になる高校の「学校説明会」「見学会」「個別相談会」に申し込みする事です。

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≫ズバットで一括資料請求

間違えないで欲しいのですが、◯◯高等学というのは高校じゃなくサポート校といって予備校のようなものです。ここを出ても高卒にはなりません。高卒の資格を得るには「◯◯高等学校」を卒業しないと。なので「院」が付いてるところはパンフレットを入手しなくて良いです。

また、パンフレットの情報だけで入学を決めるのは難しいと思います。学校に行って説明を聞いて質問をして、本当のところが解るのです。
私たち親子は有名な通信制高校を含め5校に絞り、さらに2校に絞って説明会に行きました

都内なので幸い高校の建物があって通学できる所でした。元気の良い在校生の姿を見て1校に決めて受験をすることにしました。

受験といっても通信制高校は受験で落ちる事はないと思います。面接と作文がある程度です。高校に期待するものとか、将来の目標とか、そういった話です。

不登校の中学生の受験と進路

色々と動き回って情報を集めて大変でした。子供の考えもコロコロ変わるし。

結果的に通信制高校に決めたわけですが(といっても選択肢がなかったとも言える)。まだ世間の目は冷ややかですが胸を張って学校に行って欲しいと思います。

べつに中学だの高校だので人生が決まるわけじゃないし。たまたま今の教育システムに合ってなかっただけなんだから。

進路を決める際には優先順位をつけて何を望むかを明確にして、子供に高校を選ばせる事が大事です。自主性・主体性をはぐくみ、自分で選んだ高校なんだから頑張って行きなさいという自己責任を学ばせる必要もあります。

 

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